(2021年5月17日更新)
読者の悩み
- ダウ理論を教えてほしい
- ダウ理論でトレンド転換の見極め方を教えてほしい
- 実践での使い方が知りたい
- 一緒に稼げる手法も教えて!
この記事ではこのような方へ向けて書いています。
ダウ理論を勉強した初心者の方が、「いったいどう使えばいいのか?」とそこで止まってしまう方とても多い気がします。
そこで今回は、ダウ理論の基礎から実践での使い方、高勝率トレード手法をまとめて解説します。
この記事を読み終わったころには、ダウ理論を使ったトレードをできるようになっているはずです。
ダウ理論の基礎
まずは、ダウ理論が何かを知っていきましょう。
ダウ理論とは、チャールズダウが提唱したテクニカル分析の1つであり、基本原則6つに分かれます。
特に6つ目の「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」はとても重要です
6つの基本原則
6つの基本原則
- 平均は全ての事象を織り込む
- トレンドは3つに分類される
- 主要なトレンドは3段階から形成される
- 平均は相互に確認される必要がある
- トレンドは出来高でも確認される必要がある
- トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
この6つが基本原則です。今から1つずつ解説します。
平均は全ての事象を織り込む
ここでの平均とは「平均株価」のことです。
そして全ての事象とは、各国の金融政策や経済指標、政治、災害などのことで、これらは平均株価に影響を与えるという考え方のことです。
トレンドは3つに分類される
3つのトレンドとは長期・中期・短期トレンドで構成されています。
3つのトレンド
- 長期(主要)トレンド:通常1年~数年間
- 中期(2次的)トレンド:通常3週間~3か月
- 短期(小)トレンド:3週間未満
トレード戦略を立てる際に、この3つのトレンドを把握することで勝率も格段に上がります。
相場環境認識(MTF)で用いると便利な原則です。
主要なトレンドは3段階から形成される
3つの段階とは先行期、追随期、利食い期の3つあります。
- 先行期:先行型の投資家たちが底値で買うことで、価格が緩やかに上昇する期間
- 追随期:価格が急上昇し、フォロアーが市場に参加し始める期間
- 利食い期:先行期に買いをいれた投資家たちが利食いをはじめる期間
先行期でエントリーできればいい結果が出せます。
しかし、先行期を狙うのはとても難しいのでトレンドの方向がはっきりする追随期を狙いましょう。
平均は相互に確認される必要がある
ダウ理論はもともと工業株価平均と鉄道株価平均に応用されていました。
この両者のシグナルが一致して上昇および下降トレンドとみなします。
上記は株価だがFXにおいては通貨ペアで相関関係が得られます。通貨ペアにEUR/JPYがありますが次のように求められます。
②のEUR/USDと③のUSD/JPYが上昇していれば、③のEUR/JPYも上昇しているといった相関関係が得られることができます。
トレンドは出来高でも確認される必要がある
まず出来高とは期間中に成立した売買の数量のことです。
ある期間で上昇トレンドが続けば買いの成立する数量は増加するということです。
トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
ダウ理論において上昇トレンドは「高値と安値がそれぞれ切り上がり」、下降トレンドは「高値と安値がそれぞれ切り下がる」と定義されます。
これは各時間足において同様です。
ここで覚えていただきたい言葉があります。それは「押し安値」と「戻り高値」です。
押し安値
直近の高値を切り上げた起点となった安値のことです。
押し安値は上昇トレンドが出ているときに使う言葉です。
図の赤丸の1では直近の高値を切り上げていることがわかります。この高値を切り上げたときの安値が押し安値となります。
戻り高値
直近の安値を切り下げた起点となった高値のことです。
戻り高値は下降トレンドが出ているときに使う言葉です。
図の赤丸の2では直近の安値を切り下げていることがわかります。この切り下げたときの高値が戻り高値となります。
明確な転換シグナルは、上昇トレンドにおいて安値が切り下がる、下降トレンドにおいて高値が切り上がる場合を指します。
上昇トレンドでは「押し安値」を切り下げた場合、トレンド転換したとみなします。
下降トレンドでは「戻り高値」を切り上げた場合、トレンド転換したとみなします。
ダウ理論を用いることで、トレンド転換を把握することができます。
別のトレンド転換を見極める方法は以下の記事をご覧ください。
-
【FX|トレンドラインの応用】ファン理論とは?
続きを見る
ダウ理論の実践での使い方と高勝率な手法
ダウ理論は以下の2つを判断するときに使います。
- トレンドの判断
- エントリーポイントの選定
トレンド判断
ダウ理論はトレンドの判断で用います。
「高値と安値がそれぞれ切り上がり」の場合では上昇トレンドと判断、「高値と安値がそれぞれ切り下がる」の場合では下降トレンドと判断します。
「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する」の項で解説したシグナルが出るまで
のトレード行うように心がけましょう。
エントリーポイントの選定(高勝率な手法)
図において上位足では高値1を切り上げて高値2ができて上昇トレンドが完成しています。
上位足での安値2の部分を下位足で細かく見ていきます。
下位足では安値を切り下げて下降トレンドが発生していたが、高値3で直近の高値を切り上げてトレンドが転換されたみなします。 よくトレンド転換した直後にエントリーする手法があるがそれは間違いです。
正しくは赤丸2の安値3でエントリーしましょう。相場は必ず波を描くので上がったという証拠を待ち、落ちてきたところでエントリーするのが正しい手法です。
相性のいいテクニカル分析とトレード手法
ダウ理論で使える、相性のいいテクニカル分析とトレード手法を紹介します。
エリオット波動(テクニカル分析)
エリオット波動は図のように上昇(下降)5波、下降(上昇)3波で構成されます。
ココで質問
上昇の局面で買いエントリーした場合に、最も利益がとれそうなところは何番と何番の間でしょうか?
答えは2と3ですね。
私は実際のトレードにおいても、この3波を狙ったエントリーしかしません。
3波を見つけ利益を伸ばすようにしましょう。
押し目買い、戻り売り(トレード手法)
押し目買いと戻り売り
- 押し目買い:上昇トレンドの一時的な押し(下降)で入れる買いのこと
- 戻り売り:下降トレンドの一時的な戻り(上昇)で入れる売りのこと
図でいうところの丸の部分でエントリーをする方法です。
上昇や下降の局面において、ずっと上がり下がり続けるということはありません。必ず押し(調整)がはいります。
そこでエントリーする手法が「押し目買い」と「戻り売り」です。
復習と解答
今回はダウ理論の基礎と実践での使い方、手法を紹介しました。
最後に問題を解いて復習しましょう。
復習
- ダウ理論の基本原則は( ① )つある。
- ( ① )つ目の( ② )は特に重要である。
- 直近の高値を切り上げた起点となった安値を( ③ )という。
- 直近の安値を切り下げた起点となった高値を( ④ )という。
- 上昇トレンドでは( ③ )を切り下げた場合、トレンド転換したとみなします。
- 下降トレンドでは( ④ )を切り上げた場合、トレンド転換したとみなします。
- ダウ理論は( ⑤ )と( ⑥ )を判断するときに使う。
解答
- ①:6
- ②:トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
- ③:押し安値
- ④:戻り高値
- ⑤:トレンド判断
- ⑥:エントリーポイントの選定