読者の悩み
- エリオット波動を知りたい
- どう使えばいいのかわからない
- どこが1波なの?
- FX初心者は何を覚えればいいのか教えてください!
FXで勝つためにはエリオット波動の知識を会得することが重要です。私もエリオット波動を学んだことでトレードでも勝てるようになりました。
エリオット波動とはいっても、内容が幅広く、何を覚えたらいいのかわからない初心者は多くいらっしゃいます。
この記事では、そんなFX初心者へ向けてエリオット波動の基礎を解説します。フィボナッチと組み合わせることで絶大な効果を発揮しますのでフィボナッチについても学んでみましょう。
本記事の信頼性
本記事の内容
エリオット波動の基礎
エリオット波動とフィボナッチ比率の関係
エリオット波動の1波を判断する方法
エリオット波動とは
エリオット波動は、1930年代にR.Nエリオットが提唱した原理のことです。FXトレードにおいてとても便利な原理の1つでもあります。このエリオット波動を覚えることでトレードの質が上がるといっても過言ではないのでぜひ覚えていきましょう。
エリオット波動とは以下のようなものです。
エリオット波動の内容
価格の変化は「波動」と呼ぶとあるパターンに従い動いているということ
エリオット波動にはパターン・比率・時間の3つの性質を持ち、この中で最も重要なものがパターン(基本サイクル)です。
では具体的な解説に入ります。
推進波の基本形
先ほどエリオット波動の説明の際に「とあるパターンに従う」ということを説明しました。そのパターンを示したものが以下の画像です。
この「とあるパターン」がトレンドを決定づけるパターンです。このトレンドを決定づける波のことを推進波(motive wave)と呼びます。推進波はとても力強い波になります。
上昇→上昇5波
下降→下降5波
この5波動がそろって推進波といいます。
エリオットの波は推進派だけではない
前項で推進波の解説をしました。しかし、一方向に動いているのは1波、3波、5波だけであって2波と4波は推進波と逆の動きをしていることに気づいていたと思います。
ここで注意してほしいのは、波というのは一方向に動き続けるのではなく、必ず波の形を描きます。
推進波はトレンドを勢いづける力強い波。しかし、波というのは一方向に動くだけではありません。必ず調整(推進波に対して逆の動き)をします。その調整する波が2波と4波で、この波のことを修正波(corrective waves)と呼ぶ。
修正波の基本形
先ほど解説した修正波にも基本の形があります。その形は3つの波で構成させます。
修正波(上昇に対する)はA波、B波、C波で構成させます。推進波と修正波を付け足すことでエリオット波動の基本形となります。その形が以下の画像です。
なぜ上昇相場では基本サイクル(上昇5波下降3波)の形をとるのか?
これまでに「エリオット波動の波」と「基本形」について解説しました。エリオット波動ができるということはトレンドができているという証拠でもあります。
R.Nエリオットはエリオット波動がなぜこの形になるのかまでは述べていません。これから先は私の推測になりますが解説します。まず順番に考えていきましょう。
トレンドと認識できる最低限の波の数は?
まずは1つ目の段階です。トレンドと認識できる最低限の波の数はわかりますか?
ダウ理論で考えてみましょう。ダウ理論におけるトレンドの定義は「上昇であれば高値と安値の切り上げ」で「下降であれば高値と安値を切り下げ」でしたね。図で表すと以下のようになります。
この図でみると3つの波でトレンドと認識できます。これでトレンドに必要な最低限の波の数はわかりました。次にこのことを頭にいれつつ次の段階を考えてみましょう。
トレンドと認識した波と反対に動く同じ波があったらどうなる?
先ほどの解説では、3つの波でトレンドと認識できると解説しました。この3つの波とは逆に同じ波ができたらどうなるでしょうか?
図を用意しました。上昇3波に対して逆の方向に下降3波ができたとしましょう。始点と終点での位置はそんなにかわらないですよね?これはトレンドと言えるでしょうか?
トレンドとは一方向に動くことをトレンドといいます。ということは上昇3波下降3波だけではトレンドはできないということになります。
じゃあ上昇3波下降2波(1波)でトレンド作れるんじゃないの?
上昇3波下降3波ではトレンドは作れませんでした。ということは下降である波の数を減らせば1サイクルでトレンドできると思いませんか?例えば以下のような図。
上のような形でもいいとは思いませんか?しかしこれではダメなのです。なぜなら修正波も一時的なトレンド(この場合は下降)とみなすからです。
トレンドを形成するのに必要な波の数は3つでしたね。ということは1サイクルでトレンドがでる形は上昇5波下降3波となるのです。
エリオット波動の各波の特徴
この上昇5波下降3波がトレンドにおけるエリオット波動の基本形となるのです。それぞれの波の特徴を以下のようになります。
波の特徴
- 1波:とても気づきにくい波。1波では通常5つの波では短いがまれに力強く値が 動くことがある。
- 2波:2波は1波の大部分を戻す。ジグザクとした形が多い。
- 3波:一番長く力強い値動きをする。5つの波のなかで一番短くなることはない。
- 4波:4波の底値が1波の頂上を下回ることはない。ジグザグの形が多い。
- 5波:3波ほどの力強さはない。
エリオット波動はフラクタル構造から成り立つ
エリオット波動におけるフラクタル構造とは、どの時間足でも上昇であれば上昇5波下降3波の基本サイクルがふくまれているということです。
ここで注意があります。どの時間足でもエリオット波動が見られますが、上位足ほどエリオット波動を見つけづらくなります。
推進波と修正波の種類
これまででエリオット波動には「推進波」と「修正波」からできていることがわかりました。実はこの2つの波にはそれぞれ種類があります。この項目ではその種類について解説していきます。
推進波(morive wave)の種類
まずは推進波(motive wave)から解説します。推進波は2種類あります。
インパルス
ダイアゴナル
インパルス
インパルスは最も強い推進波の波形を表します。インパルスでは以下の細かい3つのルールがあります。
- 2波の終点は1波の始点を下回らない
- 4波の終点は1波の終点を下回らない
- 3つの推進波(1.3.5波)のなかで3波が最短になることはない
2波の終点は1波の始点を下回らない
図の左側のエリオット波動では1波の始点を2波の終点が割り込んでいます。この場合はエリオット波動とみなしてはいけません。
4波の終点は1波の終点を下回らない
図の左側のエリオット波動では1波の終点を4波の終点が割り込んでいます。この場合もエリオット波動としてみなしません。
3つの推進波(1.3.5波)のなかで3波が最短になることはない
図の左側では推進波のうち3波が一番短くなっています。この場合もエリオット波動としてみなしません。
ダイアゴナル
推進波ではインパルスのほかに「ダイアゴナル」という種類があります。ダイアゴナルにも「リーディングダイアゴナル」と「エンディングダイアゴナル」の2種類があるが、後者のほうが一般的であるので以下エンディングダイアゴナルで解説します。
ちなみにダイアゴナルのルールではインパルスのルールとほぼ同じだが一つだけ違うところがあります。それが3つ目のルールである「4波の終点が1波の終点を下回らない」。ダイアゴナルの4波はどんなときも1波の領域に食い込んでくることを意味します。
- 3波が1波より短い
- 5波が3波より短い
- 4波が2波より短い
修正波の種類
推進波でお腹がいっぱいとなった人は多いと思います。しかしまだまだ続きます。次は修正波の種類について解説していきます。
修正波はトレンドを妨げる方向への波であり、修正波の種類は以下の3つが存在します。
ジグザグ
フラット
トライアングル
ジグザグ
フラット
拡大型フラットの修正波では、B波の終点はA波の始点を超えるので注意しましょう!
トライアングル
波が延長する場合がある延長(extension)
推進波の1つであるインパルスでは、稀に1波、3波、5波のいずれかが延長することがあります。これをエクステンションと呼びます。
このエクステンションでは、どの波が延長したかでそれぞれ特徴がでることに注意したいですね。
1波が延長した場合
>>3波と5波はだいたい同じ長さになる
3波が延長した場合
>>1波と5波はだいたい同じ長さになる
エリオット波動ではフィボナッチ比率と関係が深い
エリオット波動において価格と時間にはフィボナッチ比率とよく関係性が現れます。フィボナッチについては以下の記事をご覧ください。
関連記事>>フィボナッチは超簡単!|数列から使い方、手法までわかりやすく解説【FX初心者向け】
フィボナッチ比率にもいろいろな種類がありますが、その中でも大事なのが「フィボナッチリトレースメント」です。リトレースとは「引き戻す」といった意味で、インパルスにおいては、2波では1波の0.618倍くらいまで引き戻し、4波では3波の0.382倍くらいまで引き戻しがあり上昇or下降をしていきます。
2波のリトレース
4波のリトレース
エリオット波動とフィボナッチリトレースメントを用いた戦略
続いてはエリオット波動のトレード戦略について解説します。先ほどエリオット波動とフィボナッチ比率の関係を解説しました。この2つを使ってトレード戦略を練るのがとても効率的な手段になります。
前項での解説では、以下のことを解説しました。
- 2波は1波の61.8%くらいまでリトレースする
- 4波は3波の38.2%くらいまでリトレースする
ということは1波と3波が判断できれば勝てそうな気がしませんか?1波と3波が判断できたら、あとは修正波の押しや戻りを待ちエントリーすればOK。
エリオット波動1波の判断方法
これから1波の判断方法について解説します。エリオット波動といっても上昇相場では上昇5波下降3波(下降では逆)と8つの波が存在する。「実際にチャートを開いてみてもどれが1波なのか判断できない!」といった経験は今までにないだろうか?
1波の判断方法として以下の方法を使ってみてください。それが以下の方法。
ダウ理論におけるトレンド転換
これが1波の判断方法としては、最もわかりやすいものだと思います。ダウ理論におけるトレンド転換を図で解説していきます。
関連記事>>これを読めばFXで勝てる確率が上がります!|ダウ理論で覚えるべき知識を解説【FX初心者向け】
言い換えると上昇相場では「押し安値」を割れたとき、下降相場では「戻り高値」を超えたとき。「押し安値」と「戻り高値」がわからなかった方は以下の記事をご覧ください。
関連記事>>ちゃんとわかってる?押し安値と戻り高値は超重要です!【FX初心者向け】
上記の方法は他のブログさん等でも紹介されていることが多いのではないだろうか?しかし、私はこの方法にさらに根拠を高くするためにあと2つの条件を付けくわえました。それが以下の2つ。
条件①:「押し安値」と「戻り高値」を大きく割る(超える)こと
条件②:ローソク足の動きがほぼ一直線
この2つが加われば1波である可能性が高くなります。それでは条件について1つずつ解説しますね。
条件①:「押し安値」と「戻り高値」を大きく割る(超える)こと
まず1つ目の条件は上昇相場での「押し安値」、下降相場での「戻り高値」を大きく割ることである。ちょっとではNG、大きく割ることが前提である。
条件②:ローソク足の動きがほぼ一直線
条件②は「押し安値」と「戻り高値」を超えたときのローソク足の動きが一直線であるということ。ここで思い出してほしいことがあります。それは、エリオット波動における1波、3波、5波はなんと呼ばれる波だったか?ということ。
答えは「推進波」であった。推進波の特徴は力強く勢いのある波のこと。上図の左側の図では「戻り高値」を超えてはいるが、決して力強いとは言えない。逆に右側の図では「戻り高値」を一直線に力強く超えていることがわかりますね。これが条件②になります。
この条件①と条件②が1波を判断する方法。その後は2波の特徴である「ジグザグ」「フラット」「トライアングル」といった形がでればフィボナッチリトレースメント61.8%付近で反転し3波へ移行する可能性が高くなります。
実際の相場を見てみよう
これまでで1波を判断する条件は解説しました。実際の相場見てトレーニングしてみよう。
ローソク足の動き
チャートはGBP/USDの15分足。戻り高値を大きく超えてトレンド転換したことがまずわかる場面です。そして条件②の特徴であるほぼ垂直なローソク足の動きが見て取れますね。
フィボナッチリトレースメント61.8%付近をみてみよう
1波のその後は、ジグザグの形をしてフィボナッチリトレースメント61.8%付近で何度か反発があったのちに価格が上昇していることがわかります。
まとめ
今回はFX初心者へ向けてエリオット波動の基礎を解説しました。この記事を一通り読んだらあとは行動するだけです。
エリオット波動の波のカウントの仕方は人によって様々です。実際のチャートを見てみて、エリオット波動の形を探し、自分のルールを作っていきましょう。